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こんにちは、瓦.Tokyoの西田です。
今回は、瓦.Tokyoで使用しているテーブルのサイズと、そのテーブルレイアウトについて、感じている事をお話します。
尚、以下の内容はオープンから1年間くらいの話で、1年経過したタイミングでレイアウト変更工事と倉庫の契約をしています。これについては追ってご紹介予定です。
テーブルサイズの設計
瓦.Tokyoが開業準備の中で、内装業者さんと相談して決めた設計前提は、お客様一人あたり”最低限”必要なスペースは、横幅500mm×縦(奥行)300mmでした。
もちろん、テーブルは広いに越した事はありませんが、限られたスペースの中で、客席数とテーブルの広さはトレードオフの関係にありますから、これは客単価と客席回転率との相談になります。
個人的には、多くのお客さんに食事を楽しんでもらう事で、家賃や人件費などの固定費の価格転嫁を極力抑えたい(広く薄く負担頂きたい)という気持ちがあり、テーブルサイズは最低限の大きさでGOを出しましたが、今振り返ってみると、これは明らかに設計ミスだったと感じています。
開業時は、上記の設計思想をベースに、2名テーブルを4台、4名テーブルを2台、そして8人掛けのカウンターを1台、準備したのですが、結論としては、4名テーブルに4名はギリギリいけますが、2名テーブルに2名様は原則お通ししていません。基本的には2名テーブルを2つ連結し、4名テーブルにした状態で、2名様をご案内しています。
2名テーブルの横幅500mm×縦(奥行)600mmは、ちょい飲み程度であればOKですが、がっつり食事だと結構苦しい大きさです。
ちなみに、テーブルの面積は単純に半分になるだけなのに、4名はOKで2名だとNGというのが、うまく理屈で説明出来ないのですが、とにかくそうなのです笑
4名席にすると、デッドスペースが減るんだろうなという感覚は持っています。以下のように図を書いてみました。
瓦そばの場合は、瓦(及びその下駄)が結構スペースを取ってしまう事もあり、2名テーブルに瓦を2台出すと、それだけで他に何も置けなくなってしまう事も、致命的です。
テーブルレイアウトの設計
瓦.Tokyoのテーブル配置は、オープン当初は以下のような感じでしたが、やはり色々反省があります。
まず、この初期配置状態であれば、スタッフの動線上は、大きな問題は発生しませんでしたが、カウンターの奥のお客様(円で囲った所)が、お手洗いなどで出入りするのにかなり苦労する事になりました。
上記の理由から、カウンター奥は稼働させずに、備品などの荷物置きにしていたのですが、厨房スペースにも余裕がなく、最終的には、常温保管の食材や一部のお酒の在庫も、ここのスペースを使ってストックする事になった為、奥の一列(4席)は丸ごと非稼働席になりました。
※冬はお客様のコートなどかける場所も、同じ場所にハンガーラックを用意しました。
尚、従業員の私物(荷物や私服)は、近くにトランクルーム(月額1万円)を借り、着替えなどはトランクルームでお願いしていました。
これは、設計段階で内装業者さんと従業員用のスペースについて議論した際には、「みんなトイレで着替えてるよ!!」との事で、従業員用のスペースは全く作らず、その分を客席にする事で合意しましたが、特に女性スタッフにはある程度清潔で広い場所で着替えたいという気持ちがあったと思うので、必要なコストとして割り切りました。
上記についいては、以前のエントリでも触れています。
次に、デフォルトの状態で4名テーブル×4卓というレイアウトである所から、5〜6名の予約が入ると、以下のような配置になります。
ここで、テーブルAが2名で使うには小さい為に、テーブルAは1名様席としてしか、使えなくなってしまう訳です。あまり1名様で夜に飲みに来られる方は多くないので、実質稼働しない席となってしまいます。
更に、デフォルトではテーブルBとCの間が550mmあり、スタッフやお客様が動くスペースとしては十分だった所から、7〜8名の場合、テーブルを4つ接続して欲しいという話になりますから、各サイドの隙間が275mmになってしまいます。
これは実際かなり狭く、壁側に座ったお客様がお手洗いに行くのも一苦労です。
次に、テーブルEとFについてですが、既にテーブルA〜Dに5名以上の予約が入っている状態で、別の5名以上の予約が入ると、テーブルEとFを90度回して、テーブルを接続するレイアウトを取ります。
これは、少し考えれば分かる事なのですが、テーブルEとFを縦に接続するという観点が、私の想定からは完全に抜けてしまっており、結果的にテーブルA〜DとテーブルE〜Fの間が250mmくらいしか無くなってしまい、その間を縫ってスタッフが移動します。
ちなみに両サイドに背もたれのある椅子を設置すると、殆ど隙間が無くなってしまうので、このレイアウトにする時は背もたれのない、丸椅子に置き換えています。
酔ったお客様同士の背中の間を高温の瓦を持って移動するのは、かなり危険なので、出来るだけこのレイアウトは避けたいのですが、月に数回は、こうせざるを得ない日があります。
一方で、9〜10名の予約が入った場合のレイアウトは以下のような感じです。お客様の環境はそこまで悪くないと思いますが、スタッフの動線が非効率になります。
このように、人数に応じてテーブルのレイアウトを変えていく事で、なんとか対応している、というのが実態ですが、客席の稼働効率が悪い日は、以下のような状態も起こりうる訳です。
これは、全20席に対して、2名×5組で満席になってしまった時の図です。これでは客席の回転率は0.5回転となり、目標(1.0回転)の半分にしか到達しません。
なので、これはこの業界では当たり前の事なのかもしれませんが、一番効率が良いのは、「鰻の寝床」スタイルで、奥からどんどん詰めて座って貰う形が、無駄なく客席を稼働させるレイアウトである訳です。
手書きで見にくくて、すみません笑
次回は、小規模事業者向けの補助金に応募して採択された話をシェア出来ればと思います。
瓦.Tokyo 西田