食フェス出店(開業20ヶ月後)

こんにちは、瓦.Tokyoの西田です。

このブログは、時系列に沿って書いていくつもりでいましたが、時間を置いてしまうと忘れてしまう事もあるので、先に書いてしまいます。

食フェスに出店

瓦.Tokyoは2018年のゴールデンウィーク(5/2〜5/6)に日比谷公園で開催された食フェス「JAPAN FOOD PARK in 日比谷公園 ふるさと応援祭2018」に出店しました。

主目的は、お店の認知度向上。仮に数万円赤字でも、お店を何千人という人に知って貰えるなら良しとする前提で、出店しました。

総合的に振り返ってみると、天候に恵まれた事もあり、多くのお客さんにお越し頂きまして、おかげさまで成功だったと考えています。

きっかけ

きっかけは、大学時代のサークルの後輩が、食フェスを主催する会社で働いていて、出店者を募集していた事でした。

身内だから声をかけてもらった訳でもなく、私の方から興味があるという話をして、普通に価格交渉を踏まえて、出店を決定しています。

必要な準備

まず、イベントにはイベント用のオペレーションを準備する必要があります。とにかく、スピードが求められるので、極力手間をかけないオペレーションを確立する必要があります。通常の調理手順では、とても何百食も捌ききれません。

詳細は割愛しますが、麺、出汁、牛肉、錦糸卵は通常のオペレーションではない形で仕入れ、調理をしました。

例えば、店舗ではフライパンを使うところ、イベントではグリドルを使用しました。人生で初めてグリドルを使いましたが、7分袖のユニフォームでは、手首を火傷し放題でした。。

最初数日は耐えてましたが、あまりにも痛いので、最後は長袖と軍手で調理しました、もっと早く決断すれば良かった、、笑

また、器もワンウェイの使い捨てものを使用する必要があり、当然瓦での提供は出来ないのですが、瓦そばは麺とつゆの、2皿を分けて提供する必要がある為、片手で持てるような工夫ができる器を、色々と探しました。

※結果的には、以下のような感じで提供しています。

また、看板やのぼりなども、準備が必要です。私は自作しましたが、業者に頼むと納期の問題もあるので、早めに動きたい所です。

販売したもの

販売したものは、瓦そばの他に、

生ビール、缶ビール、缶チューハイ、獺祭を販売しました。

生ビールは500杯、缶ビールは400本、缶チューハイ300本、獺祭6升が売れましたが、イベント期間中はかなり暑い日が続き、天候がプラスに作用しています。

収支実績(概算)

売上:200万円

1日目:10万円、2日目:40万円、3日目:50万円、4日目:55万円、5日目:45万円

1日目は16時スタートでしたが、雨だった事もあり、売上は10万円でした。

2日目以降は天候に恵まれまして、2日目は22時まで営業した一方、3日目は食材が19時でなくなり、4日目は17時でなくなりました。

4日目は実質半日しか営業しておらず、食材があれば恐らく終日営業して、70万円程度はいったと思います。

5日目は最終日という事で、19時までの営業でしたが、ピークタイムに1時間程度、食材切れで営業を一時停止した時間がありましたので、こちらでも機会損失が生まれています。

2日目以降、営業時間が短かくなる一方で、売上が伸びているのは、スタッフの慣れもあり、調理オペレーションの効率化に成功したことが要因です。

また、瓦そばは、嬉しい事に長蛇の列が出来、30分待ちという状況が続いた時間帯もありましたが、3日目以降、ドリンクの注文を行列とは別に分けた事で、アルコール単品での販売も伸びました。

支出:180万円

出店費用:70万円、食材70万円、人件費:35万円、雑費:10万円

出店費用には、場所代の他、水道光熱費や調理機器のレンタル費用も含まれます。

食材原価は、3割程度に抑えたかったですが、400円で販売した缶ビールは原価200円の50%だったり、原価率の上昇要因が幾つかあり、4割程度に着地しています。ドリンクを冷やす氷代だけで2.5万円かかってますが、お店では光熱費に含まれる費用ですし、単純計算は出来ないですけどね。

人件費は1日あたり7万円、最低4人、基本は5人で回しましたが、4人だとなかなかスタッフが休憩に入る事が出来ず、苦しかったです。

※私は5日間、休憩無しの15時間労働ですが、個人事業主は働き方改革とは無縁ですので、ある意味好きなだけ働けるのは、気が楽です笑

雑費には、器やコップの費用、チラシ代、その他消耗品の費用を含んでいます。

やって良かったと思う理由

5日間を終えてみて、何が一番良かったかと言うと、スタッフ間の仲がすごく良くなったように感じる事です。お店に対する愛着を感じてもらえたなら、仮に多少赤字だったとしても、やって良かったなと思っています。

飲食店の従業員は、仕事が終わった後に飲みに行けるような人は珍しいと思いますし、どうやってお店に対する帰属意識を高められるか、悩んでいた所でした。お店を宣伝出来て、結果的にお金も生んで、更にはチームビルディングに寄与したなら、一石三鳥です。

難しかった点

大きく3点、やってみて難しかったなと感じています。

まず、一つ目はどれだけお客さんに来て頂けるか、読めない点。

主催側からは、一日500食程度見込めるという営業を受け、それも参考値に契約をしていますが、鵜呑みにするのはリスクが高いので、私としては損益分岐点(一日300食程度)を目標に仕入れを行いました。

ところが、初日蓋を開けてみれば50食!!

このままだと1日あたり250食分の食材ロスが出てしまう為、慌てて仕入れを下方修正しました。

但し、茶そばは山口県から仕入れている為、初日の営業終了後に下方修正出来たのは、4日目以降に納品される麺という訳です。

これが、難しいと感じた点の2つ目です。

瓦.Tokyoの場合、仕入先が山口県の製麺所だった為に、発注〜納品までのリードタイムが長く、臨機応変に在庫のコントロールが出来ないという弱点がありました。

実際に、4日目の仕入れを下方修正した結果、4日目に麺の在庫が無くなり、残り5時間も残して、17時で閉店しています。

※2日目が300食出たので、5日目の納品数を上方修正してますが、これも納品が15時頃となり、14時に一旦麺が完売してしまっています。5日目に営業を一時停止したのには、こういう背景があります。

そして、難しいと感じた点の3つ目が、瓦そばという料理自体です。

ラーメンであれば茹で上がればOK、焼きそばであれば火が通ればOKだと思いますが、私達が瓦そばで大事にしたいのは、パリパリの食感で、これ(焦げ)を作るのには、それなりの時間、鉄板の上で麺を炒める必要がありました。

結果、調理時間が長くなり、大人気メニューというよりは、提供に時間がかかるメニューとして、長蛇の列を作っていたように思います。

来年も出店するか

また来年、イベントがあるとしたら、きっとまた営業されると思いますが、出店するかについては、非常に悩ましいです。

何故なら今回黒字で着地しているのは、天候に恵まれた部分が大きく、悪天候だった初日だけで言えば想定の20%にも達しなかった訳で、正直ビジネスとしては博打の要素が大きすぎると考えています。

あとは、赤字でも宣伝効果があるならば、という判断になりますが、イベント終了後一週間の範囲では、目立って予約が増えたような事もなく、もう少し様子を見る必要がありそうです。

一方で、今後多店舗展開に成功した場合は、話が変わって来ます。

茅場町という商圏から、より広い範囲で集客を目指しているフェーズにおいては、ある意味マス広告としての食フェス出店は、今回よりも費用対効果が高くなると考えられます。

また、異なる店舗のスタッフが集結する事で、普段接する機会の無いスタッフ間の交流が生まれ、今以上に一体感醸成への寄与が期待出来ます。

更に、何百食という規模の食材の保管と、最終日余った食材の通常営業への転用について、20席程度の茅場町店舗単独ではなかなか難しかった部分が、複数店舗ある事でハードルが下がり、より攻めた仕入れと販売が可能になると考えています。

総括

色んな人が食べに来てくれて、私自身楽しかったし、良い思い出になりました!

が、100万円程度の固定費を抱えたイベント出店は、今の経営規模からすると、身の丈に合ってるとは言えず、博打に近かったと反省しています。

今後の私の仕事は、もっと経営規模を大きく成長させ、お金の事を気にせず、純粋に食フェス出店をお祭として楽しめるよう、精進していく事だと改めて思いました!

頑張ります!今後とも応援、宜しくお願い致します。

瓦.Tokyo 西田

 

 

 

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