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こんにちは、瓦.Tokyoの西田です。
物件の内見をする中で、私がチェックしていたポイントや、いざお店を始めてみて、チェックしておくべきだったと思うポイントについて、少しご紹介しようと思います。
メインとなる確認ポイントについて
①立地
マクドナルドのビジネスは、飲食業ではなく不動産業だという見方をする人がいます。
それくらい、立地は重要で、所在地近辺の市場調査は言うまでもなく、非常に重要です。
朝、昼、夜の時間別、また晴れや雨などの天気別に、交通量(車、自転車、人など)の調査をしたり、近隣のオフィス、商業施設、住宅の分布や人口統計を入手し、動線を推察したりすると、絶対的な情報は掴めなくても、幾つか物件を比較する中で、相対的に集客に有利そうな物件、不利そうな物件は色分けが出来ます。
人通りが多く、視認性の高い物件は人気が高く、その分家賃も高くなるのが普通ですが、同じ家賃帯で物件を探しても、物件によってかなり交通量に違いがありますので、よく比較してみた方が良いです。
立地だけは、開業後に変更がききませんので。
ちなみに、瓦.Tokyoは所謂、二等立地に開業しました。駅とオフィス街を繋ぐ人通りの多い道路から、1本横に入った路地で、そこまで視認性も高くありません。
開業当初は夜の営業時間に、お客さんが1人も来なかった日もあり、そんな日は外でチラシ配りをしながら、一等立地に開業しなかった事を悔いた時期もありました。
お客さんが来ない間は、アルバイトの方がお店でただ待機(時給は当然発生します)、家賃も発生してるし、電気代なども垂れ流しです。
ひたすらお金が出て行く感覚は、かなり精神的に追い込まれます。
ただ、それも結局はお店のコンセプトと戦略次第で、私の場合は瓦そばという武器とともに心中する覚悟ですので、瓦そばの味が世の中に受け入れられなかったら私のゲームは負けで、逆に受け入れられれば、立地は悪くてもお客さんは来てくれる!
そう思って、二等立地である事を言い訳にしそうになる自分を、奮い立たせています。
また、立地条件には、階数やエレベータの有無なども含まれますが、これらも集客に大きく影響します。
2階以上(空中)の物件は、1階店舗に比べて外からどんなお店か分かりにくい為、新規のお客様に来店頂くまでの心理的ハードルが相対的に高くなります。(一方、家賃は安価になる傾向にあります。)
例えば、サイゼリヤや和民など、名前を見れば店内の雰囲気や料理、価格のイメージがわくような店舗であれば、空中であっても消費者側の心理的ハードルは殆どありませんから、家賃を抑える方向で積極的に空中テナントに入居する事もあるでしょう。
逆に、個人が飲食店を開業するにあたり、これからその名を広めていこうとしている立場では、隠れ家的なバーをやりたいとか、明確な目的意識が無い限り、極力1階店舗に出店すべきというのが、私の持論です。
お店の入口前でメニューを見て、店内の雰囲気を伺ってる”見込み顧客”は、本当に大勢います。
そこへのアプローチが、1階店舗だと容易なのです。その日は無理でも、「チラシだけでもお持ち帰り下さい」と会話出来るだけで、空中店舗には出来ない顧客とのコミュニケーションが可能です。
②電気、ガス、水道周り
家賃が安い物件は、建物が古い事が多いです。
そうなると、色々な情報が十分に入手できない場合があり、
例えば、水道の配管図や、電気容量などの情報が不足している場合があります。
床下を、どのように水道が通っているか?また建物外にどのように出ているか?
テナントとしてどの程度まで電気を使って大丈夫なのか?など、
内装のレイアウトや厨房機器の選定に必要な情報が、どれだけ揃っているか?については、要確認です。
また、どんな情報があれば良いか、素人には分からない部分が多い為、
有力な候補物件の内見には、内装業者にも同行して貰った方が良いです。
私の場合は、ネットで内装業者を探して、内見の都度、ご同行頂きましたが、
幾つもの物件を見てきているプロの立場から、色々なアドバイスを頂く事ができますし、
参考意見は多いに越したことはないと思います。
※内見後の動きとしては、内装工事をした場合の概算見積を依頼し、予算にはまれば、融資の申請/物件の仮押さえ、という流れになる為、必ず近いうちに内装業者には、見積依頼が必要になります。
③どこまで工事出来るか
内装は、現状回復する前提であれば、好きにして良いという物件は多いと思いますが、
外装は、大家・管理会社と都度交渉となるケースが多いかもしれません。
物件を契約して、いざ自分の思い描くお店にしようとしたら、大家からストップがかかった!
というような事がないように、事前にイメージを先方に伝えて、工事内容に問題は無さそうか、合意しておいた方が安全です。
その為にも、自分がどんなイメージのお店にしたいのか、しっかり固めておく必要がありますし、それを事前に内装業者と共有し、不動産屋・大家さんとの交渉に臨めるようにしておけるとベストです。
競争率の高い物件であればあるほど、契約までのリードタイムは短くなると思うので、工事費用の見積もりとあわせて、この辺の合意が契約前に出来るように、繰り返しになりますが、内装業者と二人三脚で不動産業者との交渉は進められると良いと思います。
※この段階で、複数の内装業者に声をかける必要はないと思います、あくまで概算の費用が知れて、工事のポイントを不動産業者と会話出来れば良いので。
開業後、この辺も確認しておけば良かったと思ったポイント
④換気扇のパワー
私が居抜きで購入した造作の一つですが、既設換気扇が、家庭用(と思われる)換気扇で、パワーがかなり貧弱でした。
少しでも厨房で煙を出そうものなら、すぐに客席にまで煙が蔓延してしまい、オープン当初、お客さんから『換気扇、回ってる?』とよく聞かれたものです。
これについては、オープン3ヶ月後には、強力な換気扇にリプレースしていますが、設置予定の厨房機器がどの程度の熱量を出すか?が、一つの指標になるようです、内装業者とはよく相談しましょう。
⑤ゴミ置場
私が物件を契約した時点では、近所にゴミ集積所があり、そこに区のシールを貼ってゴミを出せば良かったのですが、オープン直前に、(ゴミの不法投棄が頻繁にあったようです)近所のルールが変わり、ビル単位でビルの前にゴミを出すルールになりました。
1階店舗である瓦.Tokyoの立場で言えば、営業時間中に店舗前のゴミが積み上がってる状態は非常に見た目も悪く、出来れば離れた場所に集められていた方が良かったのですが、こればかりは地域のルールでどうしようもなく。
こうした、ゴミを出す場所なども、事前に確認をした方が良いと思います。
⑥業務用スーパー
茅場町駅から徒歩圏内に、肉のハナマサがあるのですが、これは本当に助かっています。野菜は築地の八百屋の配達してもらうよりも安いし、調味料なども一通り揃っていて、冷蔵庫などの食材の保存スペースが大きくない小規模店にとっては、とにかく毎日通って日々の食材を仕入れたりしています。
レモンやネギなど、つい八百屋への発注を漏らしてしまった時も、すぐに買いに行けるというのは、本当に心強いです。
別に業務用スーパーである必要はないですが、近所のどこにスーパーがあるか?これは必須チェック項目です。
⑦駐車場、駐輪場
通勤手段次第ですが、私は開業当初は自転車、その後バイクでの通勤をしています。
そうなると、当然店舗付近で駐輪場、もしくは駐車場を借りる必要があるのですが、特にバイクは難しいです。
駐輪場が近くにないから、この物件は借りない!
というようなクリティカルな要素ではないと思いますが、意外と私は困っているので、チェック項目としてあげておきます。
⑧トランクルーム
瓦.Tokyoは本当に小さな店舗で、極力客席と厨房のスペースを確保した結果、従業員用のスペースが皆無の状態でスタートしました。
正直、設計ミスだなと思います、着替える場所もなく、従業員には面倒な思いをさせてしまっているなと反省しています。次また店舗設計をする際は、必ず従業員用のスペースを確保すると思いますが、今のお店はそう簡単にまた工事などは出来ないので、近所にトランクルームを借りて、そこに着替えや備品などを置いているという状況です。
最初から完璧に店舗設計ができれば、こうした余計なコストをかけずに済んだと思いますが、これが業界未経験者のウィークポイントでしょうね、でもたまたま近くに、それほど高くない(月額1万円強)トランクルームが空いていて、助かりました。
保険的に、こういう施設が近くにあるか?チェックしておくと、安心材料にはなるかもしれません。
→これについては、オープン10ヶ月後、売上が安定してきた時期に、同じビル内の別の部屋を契約し、トランクルームは解約しています。
⑨使えるもの、使えないもの
居抜きで契約するという事は、店舗にある厨房機器、備品などを買い取って使うのだと思いますが、このうち、使い物になるもの、ならないものを見極める事が重要です。
決して紙ベースの情報だけで判断してはいけません、動かしてみて、使ってみて、判断すべきです。
冒頭、換気扇の件を書きましたが、実際に調理をしてどれだけの煙を吸ってくれるか?そこまでのチェックをしなかった事で、工事が二度手間になってしまいました。
他にも、ワインセラーは故障していてただの箱だったり、冷蔵庫は動くものの、私の店舗設計上、大き過ぎてどこにも設置出来ず、結局廃棄したという事もありました。
また思いついたら随時更新しますが、取り急ぎこの辺りはチェックしておいた方が良いのではというポイントについて、お伝えしました。
瓦.Tokyo 西田